事務局からのお知らせ

副理事長のコラム

上田孝之コラム

2015

◇保険者が行う往療料の適正化対策の取扱いについて解説します◇

 最近、往療料について保険者から返戻されることが頻発しています。今回は保険者とのトラブルにつながっている事例3点について解説します。
1 往療距離が地図上の直線距離ではないとのトラブル
往療の距離は患家までの直線距離を原則としますので、直線距離⇒地図上の直線距離として保険者は確認します。今は、地図上の直線距離を簡単に算出する便利なソフトがあります。実際に施術者が走行した距離ではなく、地図上の距離で保険者が算出することに反論してもなかなか認められないのが現状です。もちろん、直線距離による支給が実態に比べ著しく不合理と考えられる場合は、合理的な方法により算出した距離で認められます。具体的には離島や、迂回の必要性がありどうしても距離がかさんでしまったならば、直線距離でなくても認められる場合があります。走行メーターで2.6kmだが地図上では1.8kmならばこれら例外に当らない限り1.8kmで算定することになります。
2 往療距離が16kmを超えているとのトラブル
往療距離が16kmを超えていれば、往療料を含めてすべての施術費用も療養費としては認められません。16kmまでの部分もすべて自費となります。例外として認められる場合は、往療を必要とする絶対的な理由があれば認められ、具体的にはたまたま16km以内に治療可能な医療機関(施術所を含む)が全くないとか、離島や無医村の場合は認められるでしょう。ここで留意することは、往療料加算のみならず施術料も算定できないということです。また、ここでも16kmは直線距離で保険者は判断してきます。直線距離では16.2kmだが少なく見積もって15.8kmと申請しても認められないでしょう。認められる場合は、先の1の事例でもあったように離島や無医村みたいな環境であることから、通常の療養費支給申請では支払いが認められないのが現状ですね。
3 同一家屋内の往療料は原則誰かの「一人分のみ」
介護老人福祉施設を含む、同一家屋内で複数の患者さんが施術を受けた場合の往療料は、別々に支給できないことから、誰か一人分のみの算定となります。だから、一部の施術所においてはたくさんの施術者をマイクロバスに乗せて施設に派遣しているところもあります。このような実態を保険者がみれば「往療料かせぎ」と判断するところでしょう。施設として入居するのであればこの取扱いとなりますが、一軒一軒の家屋が独立した居宅であれば、同一家屋ではないので「居宅ごとに算定が可能」と思われます。しかし、このことについて厚生労働省に問い合わせても明快な回答がありません。そんな中で、たとえ個々に独立した居宅であっても「すべからく介護老人福祉施設と同様視する」として、複数人分の算定を認めない保険者が出てきました。これは国が明確な運用基準を定めないと、今後もトラブルは続くものと見られます。少なくとも同一家屋内の介護老人福祉施設で複数の患者さんが施術を受けた場合の往療料は一人分のみしか認められないのです。また、往療料の算定にあたって、施設入居の患者さんを、患者さんが施設に入居する前の自宅からの往療距離で算定している施術者がいますが、これは明らかに不当・失当な取扱いです。保険者の調査でこのことが判明すれば、さかのぼって返還を求められることになります。

 

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