事務局からのお知らせ

副理事長のコラム

上田孝之コラム

2016.4

◇マッサージ課程が認められないことはマッサージ業界の衰退に直結する◇  

あん摩マッサージ指圧師の国家試験を受験するには、養成学校で受験資格を得なければなりません。しかし、視力障害者を保護する観点から、マッサージ師の身分法である「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」の第19条に明記されている「当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マッサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての第二条第一項の認定又はその生徒の定員の増加についての同条第三項の承認をしないことができる。 2 文部科学大臣又は厚生労働大臣は、前項の規定により認定又は承認をしない処分をしようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない」という規定があるため、養成施設でマッサージ課程を新設することが認められていません。しかし、マッサージの学校があまりにも少なく、マッサージ師になりたくても入学できない者が数多くいるのが現状です。あはき法19条をクリアしてマッサージ課程を新たに設立し、マッサージ業界を盛り上げていく必要があります。
 マッサージ業務の需要は膨大な数ですが、その大半を「無資格者が無資格施術」として供給しています。これは、法令的に由々しき問題であるにもかかわらず、国も業界も無資格者施術を取り締まれていない状況が続いています。
 昨年開かれた医道審議会で、6か所の大学・専門学校が認定申請しているマッサージ課程の新設を認めるかどうかの審議が行われましたが、出席した業界代表者の意見から全校分を一括して「不承認とする」と決議されてしまいました。また、今年1月に開かれた医道審議会でも認定申請した5校全てを「新設不認可」とされました。修業年限も地域性も異なるのに、なぜ一括してすべからく不承認にするのでしょうか。それは「はじめに不承認ありき」だからです。「視覚障碍者に及ぼす著しい困窮の虞が未だに何らも解決されずに継続している」ということですが、医道審議会ではこのことの検証もされずに一方的に決まったのです。
 業界団体が挙ってマッサージ課程の新設を認めないのであれば、無資格者問題や医業類似行為問題は今後も解決されないでしょう。マッサージ課程既存校のみが既得権を保障され、「視力障碍者の保護」という名目から、医道審議会での議論は今後も変わることがないでしょう。業界自体がことの重大さに気付かないふりをして、相も変わらず感情論のみで「マッサージ師養成学校が増えると視力障碍者は絶滅するぞ!」と声高に叫んでいるようであれば、マッサージ業界は衰退していくことでしょう。

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